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ヒノキ恐るべし

 奈良市・東大寺の法華堂で、本尊を安置する須弥壇に729(天平元)年に伐採されたヒノキが使われていたことがわかったとの報道がありました(11.9.10朝日新聞)。これによって東大寺・法華堂の創建時期が従来の通説を10年ほど遡り、730年代前半の可能性が高くなったと記事には書かれていました。
 世界で一番古い木造建築とされるのは法隆寺(7世紀末)であるということはよく知られていますが、昨年、その建立よりも100年早く586年ごろに伐採されたヒノキが、奈良市・元興寺の禅室(国宝)屋根裏の「頭貫」に使用されていたことがわかりました(10.8.14同)。平城遷都(710年)に伴って明日香村にあった飛鳥寺から、「禅室」が元興寺に移築されたようで、これが世界最古の「現役」の木造建築部材となるそうです。どちらのスギやマツではなくヒノキなのです。まさにヒノキ恐るべし。
 追 記
 森林林業学習館のホームページの冒頭に、「日本人と木とのつきあいは古く、『日本書紀』でスサノオノミコトが『スギとクスノキは舟に、ヒノキは宮殿に、マキは棺に使いなさい。そのためにはたくさん木の種を播こう』と教えた」との記述がありました。スサノオノミコトといえばアマテラスオオミカミとの岩屋戸のくだりや八岐大蛇(やまたのおろち)退治の話が有名で、神話時代の物語で歴史性は乏しいと習った記憶がありますが、くだんの言葉からは、すでに木材の用途をその特性から熟知し、さらに驚くことに森林を消費するだけでなく、再生産して持続可能な社会を目指していたことがうかがえます。日本書紀が急に現実味を持ち、スサノオノミコトが堅実な優れた為政者だったのではないかと思われてくるのでした。
 さて、木匠塾の面々も、「ふるさとじまん祭」へ出品するための実用品作りに取り組んでいます。東大寺・須弥壇とはいかないとしても、2010年伐採(?たぶん)のヒノキが後々まで残る作品にしたいものです。

私はヒノキではなくてクリの花台3つ(ほとんどまな板です)
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二度目の挑戦の本棚(またまた失敗)こちらはマンガシロ
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最後はヒノキで挑戦です。なにができるかお楽しみに
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 午前中の渡辺先生の授業でも話題になりましたが、昨夜は中秋の名月でした。満月になるのは6年ぶりとのこと。え!中秋の名月って満月でないこともあるの?
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               秋の夜長 すぐに眠入ってしまう のぼちゃんでした。 

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by mokushojuku | 2011-09-13 12:43 | 木匠塾
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